自分でビジネスをしたい人が陥る最初の落とし穴

時代が平成から令和に変わったからでしょうか、本当にありがたいことに、自分でビジネスを始めたいという人からの相談をよく受けるようになりました。

 

当たり前ですが、彼らは自分の未来に対する希望に満ち溢れ、キラキラした目でどんなビジネスをしようと思っているか、どんな商品を売るのかについて語ってくれます。

 

それを聴いているのはこちらとしてもとても楽しくて良いのですが、実はここに最初の落とし穴があります。

 

なにが落とし穴かというと、みんな「売りたいモノ」については話すのに、「誰に売りたいか」については全く考えていないことです。

 

 

もちろん、どんなモノを売って商売をしたいかというところから考え始めてもいいのですが、そこには必ず、顧客にしたい理想的な人(もしくは絶対に相手にしたくない人)が誰かということもセットで考えなければなりません。

 

なぜかというと、ここが決まっていないとその後の戦略が立てられないから。

ビジネスに限らないことですが、社会は常に“人”が中心にあるのであって、“モノ”が中心になることはないからです。

 

彼女が欲しいと思っている男の子がいるとしましょう。

彼が頭の中で最初に考えることは何でしょうか?

 

まず間違いなく、彼女にしたい理想的な女性についてでしょう。

 

アクティブで旅行好きな人が良いな

物静かで読書が趣味な人と一緒に過ごしたいな

アイドルの○○ちゃんみたいな人と付き合いたい!

 

などなど、好みは人それぞれですが、あなたが巡り合いたい“理想の人”像が(たとえぼんやりとでも)存在して、それからその“理想の人”と出会うために友人に紹介を頼んだり、マッチングアプリで探したり、会員制の紹介サービスに登録したりといった行動を起こすのではないでしょうか。

 

全ては、これから関係を作りたい“理想の人”から始まっています。

 

 

ところがビジネスになると、どういうわけかこれが逆転して、‟自分が持っている(扱いたい)モノ“から始まってしまうことがほとんどです。

 

先ほどの例でいうと、「自分はこういう人間だから、こんな自分を好きになってくれるのはこんな人だろう」というところから始めるようなものです。

 

何か妙な感じがしませんか?

 

もちろんこれが悪いとは言いませんが、ひどく自分の可能性を制限してしまっているように思うのです。

 

 

もちろんこのアプローチで顧客(や彼女)を獲得することも可能です。

特にビジネスでお金を稼ぐということを考えれば、「自分の商品を買ってくれる人であれば、誰にでも売ろう」と思うのは当たり前だと思います。

 

ですが、仕事をしていても楽しくない。常に自分を奮い立たせ、励まさないと仕事が手に付かない。という人を見ていると、ほとんどは相手ではなく商品に焦点を当ててビジネスをしているように思います。

 

実際、ある程度売上を作ることはできていても、朝目が覚めるとこれから始まる1日を考えてインフルエンザにかかった時のように頭が痛み、気分は重く、最終的にはベッドからむりやり這い出して、仕事に取り掛かるんだという人もいます。

自分がしたいビジネスを始めたはずなのに、会社員だった時の方がはるかにモチベーションがあったといいます。

 

彼はその時まで、売れるなら誰にでも売ろうとしていました。それが賢明なやり方だと思ったからです。でもやがて疲れ、いら立ち、空しさを感じるようになりました。

 

 

『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)にもありますが、「他者を変えることはできないが、自分を変えることはできる」のと同様に、あなたが理想とする顧客に合わせて、あなたの商品やサービスを変えることはいくらでもできます。

 

そして、その方が顧客の満足度も高まるし、リピートしてくれるようになるし、より高額な商品も買ってくれるようになるのです。

 

 

まず、「本当は誰を相手に商売をしたいのか?」と自分自身に問いかけてみて下さい。

どんな人をクライアント、供給業者、提携者にしたいですか?

 

こうした人々とは、今後毎日のように関わりあっていくことになります。

仕事をしている時間で考えれば、家族と過ごす時間よりも長くなるでしょう。

 

人生のパートナーのように大切な人を選ぶなら、誰だって慎重に選ぶはずです。だったら、理想のクライアントを決めるのにも、同様に時間と手間をかけるべきではないでしょうか。

 

 

これからビジネスを始めたい人や、自分のビジネスを改善したいと思う人は、ぜひあなたの“理想の相手”について考えてみて下さい。

 

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